こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
心臓の病気や動脈硬化を見極めるにはいろいろな検査があります。今回は、その中でも『運動負荷心電図』についてお話したいと思います。
運動負荷心電図と心電図の違いとは?これは文字通り、運動した状態の心電図を調べるか、安静の状態での心電図を調べるか、の差です。
たいていの健康診断などでお行われている心電図は安静時心電図でしょう。ところが、心臓病や生活習慣病などに伴う動脈硬化などは、安静時心電図のみでは見逃してしまうケースが多々あります。
ではなぜ、運動負荷心電図が必要なのでしょうか?
心臓はどんな時に負荷がかかると思いますか?それはまさに心臓を使っているとき、言い換えれば運動をしているときですよね。逆に安静時はもっとも心臓が休んでいるときとも言えます。心臓に再重症な病気がおきた時、たとえば心筋梗塞などがおきると安静にしていようが運動していようが心臓には過大な負荷がかかっています。そんな時は、安静時心電図でも以上が出るでしょう。
ところが、狭心症のように一定の負荷がかかったときにのみ異常が出てくる病気があるのです。多くの心筋梗塞(心臓の血管が詰まった状態)は狭心症という心臓に栄養を送る血管が狭くなった状態を経過して初めて心筋梗塞というケースに移行します。(もちろん突然に発症する方もいますが・・・)
心筋梗塞は命に関わる病気です。ですから、心臓の状態が狭心症という状況の時に発見してあげることが心筋梗塞の予防、と突然死の予防に役立つということなのです。
特に、高血圧、高コレステロール、高中性脂肪、糖尿病、肥満、など生活習慣病を持っている方は動脈硬化が進みやすいです。つまり、心臓の血管が狭くなりやすいということです。
まずは心筋梗塞や狭心症の既往がある人。以前、心臓にステントを入れたことがある方などは絶対に定期的な運動負荷心電図を受けるべきです。そして、生活習慣病を持っている方。その中でも糖尿病を持っている方は心臓発作時の痛み、いわゆる胸痛を感じないことが多いのです。そして知らないうちに狭心症が進行することになります。もし、あなたが生活習慣病や糖尿病を持病としてもっているならば、運動負荷心電図を受けてみることが必要です。
運動負荷心電図は不整脈の精密検査としても役立ちます。そのひとが持っている不整脈が運動によって増えるのか?それとも減るのか?それを見ることで、その方の日常生活の範囲を制限しなければいけないか、などを決めることに役立ちます。
運動負荷心電図にもいくつかの種類があります。一つ目がマスター運動負荷。これは表彰台のような階段を何往復も運動していただく検査です。二つ目がエルゴメーター。これは自転車をこいでいただく検査で、検査中常に心電図や血圧計を装着しながらできる検査なので、より精密に経過がわかります。これはトレッドミル検査というものでも代用できます。
すぎおかクリニックでは、マスター運動負荷心電図装置2台と、エルゴメーター装置を用意しています。
心臓病や動脈硬化が心配であれば、是非一度検査を受けられてください。
御遠慮なくご相談くださいね。
こんにちは~。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、みなさんがよく耳にする言葉、狭心症と心筋梗塞の違いについてお話ししますね。
狭心症って何?心筋梗塞って何? 何が違うの? そんな話をしていきましょう。
この病気はどちらも心臓に栄養を送る血管(冠動脈)の病気ということで一致します。心臓には、その周りに冠動脈と呼ばれる血管があり、心臓が正常に動くように栄養を与えています。
しかし、年齢に伴う動脈硬化だったり、ストレス過剰に伴う冠動脈の痙攣(攣縮)が原因で冠動脈が狭くなったり、詰まってきたりするのです。
そうすると、心臓の筋肉には十分な栄養が行き渡らなくなり、何かの拍子に胸が痛い、苦しい、と言った症状が出ることになります。
この二つの病気の根本的な原因はほぼ同じです。簡単にいえば、冠動脈がどの程度まで狭くなってしまったか?心臓の筋肉がどの程度ダメージを受けたか、で狭心症か心筋梗塞かが決まってきます。
狭心症は、冠動脈が狭くなって来たり、閉塞を起こしていても、心臓の筋肉にはダメージを受けていない状態を指します。
一方、心筋梗塞は冠動脈が詰まってしまったせいで、心臓の筋肉絵の栄養が完全に遮断された結果、心臓の筋肉(心筋)が壊死してしまう状態を指します。
ですから、壊死の大きさによっては心臓の機能が非常に低下したり、場合によっては命に関わる事態となります。
どちらの病気も心臓の血管(冠動脈)に問題があるわけです。ですからこの冠動脈を治療し、広げ、再度心筋への血流を回復させてやることがなによりも大事になります。
治療法としては、薬物用法、ステント留置方法、状況がシビアであればバイパス手術が選択されることもあります。
これは、日常の生活習慣をいかにあらためるか、にかかってきます。塩分の取りすぎによる血圧上昇、糖分とりすぎによる糖尿、カロリー過多や運動不足に伴う肥満、メタボ。睡眠不足、食事の偏り、ストレスなども病気の原因になりますので、普段の生活を是非一度振り返ってみてくださいね。
すぎおかクリニックでは、船橋市をはじめ、市川市、鎌ヶ谷市、習志野市、などの船橋近隣にお住いの方の狭心症、心筋梗塞の患者さんを多数拝見しております。
狭心症、心筋梗塞は普段の管理、再発予防、定期的な検査がとても重要です。
なにか気になることがあれば、いつでもご相談くださいね。
こんにちは! 船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは「心臓発作」です。
心臓発作という言葉は、テレビなどでよく使われる言葉ですので、多くの方は聞いたことがあることと思います。しかし、私たち循環器専門医の立場から考えると、この言葉は非常にあいまいな言葉です。
というのも、心臓発作の中には本当にたくさんの種類があるからです。
例えば、心筋梗塞や狭心症による心臓発作。心房細動や期外収縮などの不整脈に伴う心臓発作。弁膜症や高血圧、心筋症などの心機能低下を原因とする心臓発作など、数え上げるときりがありません。
もし、あなたがどこかの病院やクリニックで恐らく心臓発作でしょう、と診断されたとしたら? 残念ながらその診断は極めて不正確と言わざるを言えません。それは、先ほどお話したように心臓発作の種類がたくさんあるので、その病態、病状、原因、検査、治療法などに結びつかないからです。
もし、あなたが心臓発作があるから薬を飲んでるとおもっているなら、一度その原因の検査、またその薬が本当に正しいかをチェックする必要があります。
心臓の病気は、もし軽く見過ごされていたら大変なことになります。自分の心臓は軽い病気だから大丈夫、と思い込んでいたら、ある日突然に大きな本物の心臓発作が来る可能性があるのです。
心臓発作の検査にはいろいろあります。一つはまさに発作を起こしている最中の検査。この場合は迅速に検査、診察、そして治療の判断をしないと取り返しのつかないことになりかねません。当院でも、重症の心臓発作を起こしている方が来院されることがあります。その場合、クリニックでできる最善、最速の検査治療をしたうえで、必要があれば船橋市立医療センターや東京ベイ浦安市川医療センター、千葉西病院、船橋総合病院、船橋中央病院、徳洲会病院など、患者さんと相談のうえ、紹介、搬送をしています。
もうひとつは、発作を起こしていない場合。この場合は心臓発作の予防のために考えられる検査や治療を個々に応じて行っています。心臓エコー(心臓超音波検査)や心電図、運動負荷心電図、CAVI、専門的な血液検査などなど。
心臓発作を起こしたことのある方、その予防法を知らない方、ご家族のかたで大丈夫か不安なかた、一度循環器専門医のいるクリニックでの精査をお勧めします。もちろん当院では万全の態勢で皆様をお待ちしています。
こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニックの院長、杉岡です。
今日のテーマは「胸痛」です。
胸が痛い、と感じた場合、どんな病気が考えられるでしょうか?そしてその時どんな行動をとったらよいでしょうか?
胸痛を起こす病気はたくさんあります。もっとも危険で、素早い対処が必要な病気が急性心筋梗塞です。
急性心筋梗塞は、急激に尋常でない胸の痛みが出現します。冷や汗をかくほどの痛みで、嘔吐(吐く)ことを繰り返す方もいます。血圧が低下したり、合併した不整脈で命取りになることもありますので、一刻も早く病院を受診する必要があります。
心筋梗塞という、心臓の血管が急に詰まってしまう状態には至っていないものの、狭くなっている状態(狭窄)で胸痛が出ることがあります。これを狭心症と言います。
典型的な狭心症の場合は、軽労作での胸痛がよく見られます。たとえば、朝方会社に行く途中で歩いてると胸が痛くなる、などのパターンです。
狭心症の場合、血管が詰まっているわけではないので、心臓に何かしらの負荷がかかったときのみ、症状が出ることが多いです。
心臓以外でいうと、大動脈の病気で胸痛が出ることがあります。これは大動脈解離といって突然大動脈の壁が裂けてしまう病気で、素早い対応、治療が必要になります。
自然気胸という病気でも胸痛が出ることがあります。肺は、風船のようなものなのですが、この風船が何らかの原因で穴が開いてしまい、肺から空気が漏れてしまう病気です。
ほかにも心外膜炎、胸膜炎などウイルスによる炎症で胸痛が出ることもあります。
胸痛といった症状の場合、緊急を要する病気が含まれていることが多く、素早い見極めがとても大切になります。
胸が痛いな、この痛みは尋常ではないな、など気になった場合はお早めに循環器専門医を有する病院、クリニックへの受診をお勧めします。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今回は、「バイパス手術」がテーマです。
バイパス手術とは、狭心症や心筋梗塞のような、虚血性心疾患の患者さんに対する治療法の一つです。
正確には冠動脈バイパス術(CABG)と言います。
動脈硬化などが原因で狭心症や心筋梗塞になると、心臓に栄養を送る血管(冠動脈)が狭窄(狭くなる)を起こしたり閉塞(詰まる)を起こしたりして、心臓に十分なな栄養を送れなくなります。
そこで、冠動脈を修復して血流を再開させる必要があるのですが、方法は大きく2つに分かれます。
ひとつめが、冠動脈をバルーンで拡張したり、金属の土管であるステントを留置する方法です。
冠動脈の狭窄がステントを留置できる場合、こちらの治療法が体への侵襲も低いためにこちらが選択されます。
しかし、冠動脈の狭窄があまりに多すぎる、複雑すぎる、病変がステント治療では危険性が高すぎるなどの場合は冠動脈バイパス術が選択されます。
バイパス術では詰まった心臓の血管の代わりに、自分のからだの他の血管から心臓へと、血管をいわば移植するような手術です。
使われる血管は、内胸動脈、橈骨動脈、大伏在静脈などが多いです。
以前と違い、最近は医療技術が大幅に発展し、バイパス手術のリスクもかなり少なくなりました。
狭心症や心筋梗塞は命に関わる病気ですから、何よりもしっかりと治療をする必要があります。
バイパス手術が成功しても、大事なことはそのあとの管理です。
バイパス手術を行っても、その後に糖尿病や高血圧などの生活習慣病のコントロールが悪かったり、定期的な冠動脈のチェックを行うような検査を怠ると、数年後にはバイパスが閉塞することも珍しくありません。
また、血管は冠動脈だけではありません。心臓の血管が詰まったひとは、足の血管が詰まったり、頭の血管が詰まったり、血管が詰まる病気が全身のいろいろな場所で起こることがあります。
決して治療が終わったからといって油断しないことがとても大事なのです。
すぎおかクリニックには、多くの冠動脈バイパス術を行った方が来院されています。すべてのひとに心臓の血管をはじめ、様々な定期チェックや生活指導を行い、再発防止につとめています。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今回は狭心症と動脈硬化の関係についてお話しします。
狭心症という病気は、なんらかの原因で心臓に栄養を送る冠動脈と呼ばれる血管が狭窄しているため、心臓に十分に栄養が送れずに胸痛、胸が苦しい、などの症状が出てくる病気です。
心臓の血管(冠動脈)が狭くなる理由のほとんどは動脈硬化です。では、冠動脈が動脈硬化を起こすとどんな状態になるのでしょうか?
それが下の図です。
冠動脈にコレステロールなどが中心で形成されているプラークと呼ばれる成分が蓄積(中段の絵)されていくと、冠動脈内が狭くなっていきます。50%程度の狭窄では、胸が苦しいなどん症状は出ませんが、血管の壁(内膜)内に溜まっているプラークがどんどん増えていくと、壁の中はパンパンに張っていき、最後には亀裂、傷がついてしまいます。
傷がつくと、出血を起こし(最下段の絵)その出血を止めようと血小板と言われる出血を止める糊のような成分が集まってきます。そこでできるのが血栓、血の塊です。そしてこの血栓が冠動脈の流れを遮断、または遮断仕掛ける状態にまで突然移行します。遮断の一歩手前でおさまれば狭心症、完全に遮断されてしまうと急性心筋梗塞となってしまいます。
これは動脈硬化の素因を持っている人です。
高血圧、コレステロールや中性脂肪の高い人、糖尿病、タバコを吸う喫煙者、肥満など。また生活習慣のみだれも原因になります。たとえば睡眠不足や運動不足がそうです。肥満に伴う睡眠時無呼吸症候群も狭心症のリスクになると言われています。呼吸器の病気と思っていたものが循環器や心臓の病気につながっているのです。
生活の習慣をまずは見直すこと。これは大前提です。塩分の濃いものを食べ過ぎて血圧を上げない、甘いものを食べ過ぎて糖尿病にならない、油で揚げた食べ物をとりすぎて体を酸化させない、定期的に体を動かす、夜更かしをしない、酒の飲み過ぎに注意など。
このような生活習慣を守っても年齢に伴う動脈硬化を100%防ぐのは難しいです。そのために定期的な動脈硬化チェック、狭心症になりかけてないか?などの定期受診が必要になります。
狭心症をまだ起こしたことがない人も、一度起こして絶対に再発を防ぎたい人、またはそのような方があなたの大切な人だった場合も、循環器専門医の外来へ受診されてくださいね。
すぎおかクリニックでは狭心症のかたへ定期的な運動負荷心電図や心臓エコー、頚動脈エコー、CAVIなどの動脈硬化検査を積極的に行っています。
船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニックの院長、杉岡です。
さて、今日は心臓リハビリのお話しをしたいと思います。
心臓リハビリ??
聞いたことありますか?
皆さんの御家族や知り合いの方に心臓の悪い方はいらっしゃいませんか?
その方、普段どういう生活をしていますか?
よくある間違いは、
心臓が悪いんだからムリしちゃダメ!
というやつ。
もちろん心臓の具合が相当悪い人には当てはまりますが、一般には当てはまりません。
心臓の悪い人ほど、運動しなければいけないのです
ただ、漠然と運動することは危険なこともあります。
そこで出てくるのが心臓リハビリテーションです。
心臓リハビリテーションは、狭心症や心筋梗塞、心不全などの心臓の病気を持っている方、心臓手術の術後、大動脈解離などの大動脈疾患、閉塞性動脈硬化症などの人が適応となります。
これは、医者や看護師の監視のもと、モニターをつけながら自転車こぎなどの運動をしてもらうものです。
医師は、その人の血圧や脈拍をみながら、その人の心臓に一番合った最適な運動量を設定します。
つまり、この人は、血圧が幾つくらいでどれくらいの脈拍で運動するのが一番心臓に良いかということを導き出すことができるのです。
この運動をする利点は、
心臓を効率よく、安全にトレーニングできる。
日常生活での運動量を上げていける。
普段の運動を効率よく行える。
運動を続けることが、今後の心臓発作を起こすリスクを大幅に減らすことができる。
つまり、筋トレならぬ
心トレ
を是非行ってほしいのです。
そして何よりも、適切な運動を行うことで
ダイエット
にも良い効果が出るのも間違いないでしょう
あなたの心臓に合った最適な運動量と
運動方法を是非知っておいてください。
すぎおかクリニックでは、心臓病を持っている方へ積極的に心臓リハビリテーションを提供しています。
船橋の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長の杉岡です。
今日のテーマは、
悪玉コレステロール
です。
健康診断や人間ドックを受けられたかた、また御家族にコレステロール高いねと言われてるかた、いらっしゃると思います。
悪玉コレステロールとは、
LDLコレステロール
といわれているもので、これが高いと血管にコレステロールがへばりついて、血管を詰まらせる恐ろしいものと言われています。
そのために、実に多くの人がコレステロールのお薬を飲んでいるという現状があります。
健康診断では、この数字134mg/dlまでが正常と記載されていることが多いのです。
これを、40歳以上の日本人のデータに当てはめてみると、
実に33%
の人がコレステロール以上となってしまったという発表があります。
この人たち全員が薬を飲む必要があるのでしょうか???
大事なことは、コレステロールが高い人たちの中でも、更に血管を詰まらせやすい人は誰なのかを区別する必要があります。
特に、閉経前の女性でコレステロールが高い以外、高血圧や糖尿や家族に心臓病がいる、などのリスクを持っていない場合、最低でもLDLコレステロールは160までは放っておいて大丈夫です。
欧米では190mg/dlを越えて、初めて薬の治療を考えるところもあります。
細かいところは、是非一度循環器を専門にしている医師に相談すべきと思います。
当クリニックでは、コレステロールの高いかたには
頸動脈エコー検査
をお勧めしています。
頸動脈という首の血管をエコー検査で見ることで、その方の動脈硬化の度合いを推定できますので、コレステロールの数字とあわせて最適な治療法を提供できます。
コレステロールの高いかたで、薬が必要なのか、日常生活でどうすべきかなどご心配なかたは、一度当クリニックに相談にいらしてくださいね。
船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長の杉岡です。
今日は、狭心症という病気についてお話しますね。
狭心症は、心臓の血管が詰まりかけている病気のことで、放っておくと心筋梗塞を起こし、突然死の原因にもなります。また、狭心症で一度治療をした人も、その後の生活習慣や検査などによる管理を怠ると、容易に二度目の発作を起こすことがあります。
典型的な症状は、階段や坂道などの軽い運動に伴って出現する胸の痛み、締め付け感、圧迫感です。これは労作性狭心症と呼ばれます。
一方で、朝方胸が苦しくなって目がさめる、というパターンもあります。これは運動と関係なく出現し、安静時狭心症(冠攣縮性狭心症)とよばれるもので、前触れなく急に心臓の血管がけいれんするものです。
いずれの症状も放っておくと心筋梗塞になることがあります。
治療には冠動脈(心臓の動脈)へのステント療法、冠動脈バイパス、薬による薬物療法があります。今日はその中で、ステント治療について説明させて頂きます。
ステント治療とは、狭くなった心臓の血管へステントと呼ばれる土管を留置して、血管が狭くならないように補強する治療です。体の負担もほとんどなく、留置後数日以内に退院でき、日常生活も早期復帰が可能です。(下記イラスト参照してください)
狭心症の治療は手軽なだけに、治療後に管理を怠る方が非常に多いです。その結果、狭心症や心筋梗塞の再発になりかねません。コレステロールの数字、中性脂肪、血糖、血圧は大丈夫か?薬は合っているか?定期的に狭心症の再発チェックの検査ができているか?例えば運動負荷心電図や心臓エコーなどがそうです。以前、狭心症の治療をしたからといって、決して油断せず、循環器専門医による定期的な検査フォローを欠かさないようにしてください。