こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかくりにっく院長、杉岡です。
今日は、最近いらしたある患者さんの話をします。
そのかたは、心筋梗塞という命を落とす可能性の高い重篤な病気でした。
このかたは、朝からむねがもやもやする症状が続き、午後になっても改善しないため来院されました。
それまで全く胸が苦しい、胸が痛いなどの症状がなかったのです。
来院された際に看護師が患者さんに違和感を感じ,、直ちに心電図をとったところ、心筋梗塞が疑われました。
そこで、次に血液の検査を行いました。心筋梗塞を起こすと、心臓に栄養が十分にいきわたらなくなるために、心臓の筋肉の一部が壊死(死んでしまう)してしまいます。
その、壊死したかけらが血液中を流れ出すことで、その成分を検査するというわけです。いわゆる心筋梗塞専用の血液検査ということです。
当院では、この血液検査を非常に大事と考えています。そのため、院内ですぐに血液検査の結果がでるように(だいたい10分位)迅速に検査をすすめています。
そして、やはり血液検査でも心筋梗塞が疑われます。
次に、心臓のエコー検査を行いました。 心筋梗塞を起こすと、心臓の一部の動きが低下してきます。
やはりこのかたも心臓の前の方の部分に動きの低下がみられました。
そこで間違いなく心筋梗塞の診断をつけられ、すぐに救命救急病院に搬送し、そのかたは一命をとりとめました。
心筋梗塞は、なんの前触れもなくある日突然やって来ることがあります。今まで、一度も胸が苦しい、痛いなどの症状がなかった人も、持続する胸の痛みが出たら躊躇せず、循環器内科の病院に受診することを強くお勧めします。
当院では女性の循環器専門医も在籍していますので、女性の方でも心配がありましたら遠慮なくお越しください。
また、当院の看護師も循環器を長く経験したエキスパートですし、心エコーのスペシャリストである検査技師もおります。
毎日チーム一丸で心臓病治療とその予防に全力であたっています。
ご自分のことでなくても、ご家族のことなど、ご心配があればお気軽に御相談下さいね。
心筋梗塞を甘く見ると命取りになります。
こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニックの院長、杉岡です。
今日のテーマは「胸痛」です。
胸が痛い、と感じた場合、どんな病気が考えられるでしょうか?そしてその時どんな行動をとったらよいでしょうか?
胸痛を起こす病気はたくさんあります。もっとも危険で、素早い対処が必要な病気が急性心筋梗塞です。
急性心筋梗塞は、急激に尋常でない胸の痛みが出現します。冷や汗をかくほどの痛みで、嘔吐(吐く)ことを繰り返す方もいます。血圧が低下したり、合併した不整脈で命取りになることもありますので、一刻も早く病院を受診する必要があります。
心筋梗塞という、心臓の血管が急に詰まってしまう状態には至っていないものの、狭くなっている状態(狭窄)で胸痛が出ることがあります。これを狭心症と言います。
典型的な狭心症の場合は、軽労作での胸痛がよく見られます。たとえば、朝方会社に行く途中で歩いてると胸が痛くなる、などのパターンです。
狭心症の場合、血管が詰まっているわけではないので、心臓に何かしらの負荷がかかったときのみ、症状が出ることが多いです。
心臓以外でいうと、大動脈の病気で胸痛が出ることがあります。これは大動脈解離といって突然大動脈の壁が裂けてしまう病気で、素早い対応、治療が必要になります。
自然気胸という病気でも胸痛が出ることがあります。肺は、風船のようなものなのですが、この風船が何らかの原因で穴が開いてしまい、肺から空気が漏れてしまう病気です。
ほかにも心外膜炎、胸膜炎などウイルスによる炎症で胸痛が出ることもあります。
胸痛といった症状の場合、緊急を要する病気が含まれていることが多く、素早い見極めがとても大切になります。
胸が痛いな、この痛みは尋常ではないな、など気になった場合はお早めに循環器専門医を有する病院、クリニックへの受診をお勧めします。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今回は、「バイパス手術」がテーマです。
バイパス手術とは、狭心症や心筋梗塞のような、虚血性心疾患の患者さんに対する治療法の一つです。
正確には冠動脈バイパス術(CABG)と言います。
動脈硬化などが原因で狭心症や心筋梗塞になると、心臓に栄養を送る血管(冠動脈)が狭窄(狭くなる)を起こしたり閉塞(詰まる)を起こしたりして、心臓に十分なな栄養を送れなくなります。
そこで、冠動脈を修復して血流を再開させる必要があるのですが、方法は大きく2つに分かれます。
ひとつめが、冠動脈をバルーンで拡張したり、金属の土管であるステントを留置する方法です。
冠動脈の狭窄がステントを留置できる場合、こちらの治療法が体への侵襲も低いためにこちらが選択されます。
しかし、冠動脈の狭窄があまりに多すぎる、複雑すぎる、病変がステント治療では危険性が高すぎるなどの場合は冠動脈バイパス術が選択されます。
バイパス術では詰まった心臓の血管の代わりに、自分のからだの他の血管から心臓へと、血管をいわば移植するような手術です。
使われる血管は、内胸動脈、橈骨動脈、大伏在静脈などが多いです。
以前と違い、最近は医療技術が大幅に発展し、バイパス手術のリスクもかなり少なくなりました。
狭心症や心筋梗塞は命に関わる病気ですから、何よりもしっかりと治療をする必要があります。
バイパス手術が成功しても、大事なことはそのあとの管理です。
バイパス手術を行っても、その後に糖尿病や高血圧などの生活習慣病のコントロールが悪かったり、定期的な冠動脈のチェックを行うような検査を怠ると、数年後にはバイパスが閉塞することも珍しくありません。
また、血管は冠動脈だけではありません。心臓の血管が詰まったひとは、足の血管が詰まったり、頭の血管が詰まったり、血管が詰まる病気が全身のいろいろな場所で起こることがあります。
決して治療が終わったからといって油断しないことがとても大事なのです。
すぎおかクリニックには、多くの冠動脈バイパス術を行った方が来院されています。すべてのひとに心臓の血管をはじめ、様々な定期チェックや生活指導を行い、再発防止につとめています。
船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニックの院長、杉岡です。
さて、今日は心臓リハビリのお話しをしたいと思います。
心臓リハビリ??
聞いたことありますか?
皆さんの御家族や知り合いの方に心臓の悪い方はいらっしゃいませんか?
その方、普段どういう生活をしていますか?
よくある間違いは、
心臓が悪いんだからムリしちゃダメ!
というやつ。
もちろん心臓の具合が相当悪い人には当てはまりますが、一般には当てはまりません。
心臓の悪い人ほど、運動しなければいけないのです
ただ、漠然と運動することは危険なこともあります。
そこで出てくるのが心臓リハビリテーションです。
心臓リハビリテーションは、狭心症や心筋梗塞、心不全などの心臓の病気を持っている方、心臓手術の術後、大動脈解離などの大動脈疾患、閉塞性動脈硬化症などの人が適応となります。
これは、医者や看護師の監視のもと、モニターをつけながら自転車こぎなどの運動をしてもらうものです。
医師は、その人の血圧や脈拍をみながら、その人の心臓に一番合った最適な運動量を設定します。
つまり、この人は、血圧が幾つくらいでどれくらいの脈拍で運動するのが一番心臓に良いかということを導き出すことができるのです。
この運動をする利点は、
心臓を効率よく、安全にトレーニングできる。
日常生活での運動量を上げていける。
普段の運動を効率よく行える。
運動を続けることが、今後の心臓発作を起こすリスクを大幅に減らすことができる。
つまり、筋トレならぬ
心トレ
を是非行ってほしいのです。
そして何よりも、適切な運動を行うことで
ダイエット
にも良い効果が出るのも間違いないでしょう
あなたの心臓に合った最適な運動量と
運動方法を是非知っておいてください。
すぎおかクリニックでは、心臓病を持っている方へ積極的に心臓リハビリテーションを提供しています。
船橋の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長の杉岡です。
今日のテーマは、
悪玉コレステロール
です。
健康診断や人間ドックを受けられたかた、また御家族にコレステロール高いねと言われてるかた、いらっしゃると思います。
悪玉コレステロールとは、
LDLコレステロール
といわれているもので、これが高いと血管にコレステロールがへばりついて、血管を詰まらせる恐ろしいものと言われています。
そのために、実に多くの人がコレステロールのお薬を飲んでいるという現状があります。
健康診断では、この数字134mg/dlまでが正常と記載されていることが多いのです。
これを、40歳以上の日本人のデータに当てはめてみると、
実に33%
の人がコレステロール以上となってしまったという発表があります。
この人たち全員が薬を飲む必要があるのでしょうか???
大事なことは、コレステロールが高い人たちの中でも、更に血管を詰まらせやすい人は誰なのかを区別する必要があります。
特に、閉経前の女性でコレステロールが高い以外、高血圧や糖尿や家族に心臓病がいる、などのリスクを持っていない場合、最低でもLDLコレステロールは160までは放っておいて大丈夫です。
欧米では190mg/dlを越えて、初めて薬の治療を考えるところもあります。
細かいところは、是非一度循環器を専門にしている医師に相談すべきと思います。
当クリニックでは、コレステロールの高いかたには
頸動脈エコー検査
をお勧めしています。
頸動脈という首の血管をエコー検査で見ることで、その方の動脈硬化の度合いを推定できますので、コレステロールの数字とあわせて最適な治療法を提供できます。
コレステロールの高いかたで、薬が必要なのか、日常生活でどうすべきかなどご心配なかたは、一度当クリニックに相談にいらしてくださいね。