こんにちは。
船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長の杉岡です。
今回は、心筋梗塞のおはなしです。
心筋梗塞という病気、一体どんな人がなりやすいんでしようか?
そして、あなたは将来心筋梗塞になるんでしょうか?
心筋梗塞のなりやすさを示すものに
リスクファクター
というものがあります。
これは、この条件を持ってると将来血管が詰まっちゃいそうだなあと思われるものです。
この辺は皆さんもご存じかもしれません。
・高血圧
・脂質異常症
・糖尿病
・肥満
・タバコ
・ストレス
・年齢
このリスクファクターをひとつ持っていると、血管が詰まるリスクは3倍になると言われています。
心筋梗塞は、昔は60歳70歳位ではじめて問題になる病気でした。
しかし、最近では多くのストレスや、食生活の変化から、40代や30代の人までも心筋梗塞を起こす人が増えてきてしまっているのです。
あなたは、上にあげたリスクファクターを何も持っていませんか?
「俺は少し血圧高いくらいだけどまだ大丈夫」
「私はコレステロールが高いだけだから」
自分だけは大丈夫だと思わないでください。
しかもこのリスクファクター、怖いのは複数のリスクを抱えているときです。
リスクが掛け算で増えます
例えば、タバコが止められない、少し太ってきたあなた、
血管が詰まるリスクは
3×3で
9倍
です。
これに、塩分とりすぎて血圧が上がってくると、
3×3×3で
27倍
甘いものも大好きです、糖尿の気が出てくると、
3×3×3×3で
81倍
でも、もし生活を改めて、リスクを減らすことが今できたなら、
例えば今からタバコをやめたら
リスクは1/3になります。
塩分を控えて血圧が下がれば、
リスクは1/3×1/3=1/9
良くなるときも掛け算で良くなる
のです。
思い当たる方は、是非今日からリスクファクターを減らす生活を始めてみてください。
リスクファクターを抱えている方で、自分の血管の詰まり具合が気になる場合は、是非一度循環器専門医の医師に御相談下さい。
また、あなたが大丈夫でも、あなたのご家族やお知り合いにそういう方はいませんか?
あなたとあなたの大切な方を是非守ってくださいね。
もちろん、当クリニックに来ていただければ、あなたの血管の詰まり具合や予防方法をしっかりとお伝えいたします
(2014年3月の院長ブログから再掲載しています)
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『高めの血糖と動脈プラークの関係』についてです。
糖尿病になってしまうと、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化を起こしやすくなることは御存じの方も多いかもしれません。
実際、糖尿病のせいで、心臓だけでなく、目の血管が詰まったり、腎臓の血管に異常が出たり、足の血管が詰まったり、など全身の血管に影響が出やすくなります。
一方で、少し血糖が高めだけど、まだ糖尿にはなっていない人の場合、まだ動脈硬化、血管のプラークは正常なのでしょうか?
まだ糖尿じゃないから、動脈硬化や血管が詰まる、なんてことは考えなくても大丈夫なのでしょうか?
今日は、こんな研究論文をご紹介します
この研究では、糖尿の気が全くない健常人、糖尿病と診断されている人、若干糖が高めと言われている人、それぞれの動脈プラークを調べてみたという研究です。
この研究によると、まだ糖尿と言われていなくても、若干糖が高いというだけで、動脈のプラーク形成がおきていた、動脈硬化を起こしていた、というものでした。
糖尿病ではなくでも、高血糖というだけで、血糖が少し高めというだけで、動脈硬化が進みます。
動脈硬化が脳におきれば、それは認知症の原因になり、脳卒中の原因になります。
心臓に起きれば心筋梗塞の原因になり、腎臓に起きれば透析の原因になります。
血糖がほんの少し高いうちから、健康な血管を意識して、将来の病気をしっかり予防する必要がありますね。
当院では、頸部動脈エコー、心臓エコー、運動負荷心電図、ホルター心電図、ABI(血管年齢検査)などを用いて、動脈硬化に関する検査を行っています。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
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平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
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こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『アルコールと心臓血管病の関係』についてです。
アルコール消費量はいったいどこまでが安全なのでしょうか?このことに関しては今までもいろいろな情報が流れていました。
最近の研究では、アルコールは少ないほど良い、という結果が増えていましたが、それを示唆する研究データが世界の一流誌、Lancet誌に発表されました。
イギリスのケンブリッジ大学の研究チームが約60万人を対象に調査。追跡期間は約7~8年。この間のアルコール摂取量と病気の関連性について報告しています。
研究結果は、安全といえるアルコール量は週100グラム以下、ということでした。
これを超えるアルコール消費をしていた方は、脳卒中のリスクが14%上昇。高血圧のリスクが24%上昇。心不全リスクは9%上昇。大動脈瘤のリスクは15%高まっていました。
さらに、研究チームはイギリスにおいて推奨アルコール消費量(週112グラム以上)を消費すると、寿命が1.6年短くなると推計しています。
例えばビール(5%のアルコール)で計算すると、ビール500mlだと、アルコールは約25グラム
ワインボトル一本(14%のアルコール)だと約アルコールは105グラムとすでに100g超え!
思ったより、1週間に飲んでもよいアルコール量は限られているようです。
安全なアルコール消費量、推奨されるアルコール消費量は国によってばらつきがあるようです。そしてこのデータがそのまま日本人に当てはまるわけではありません。
そして個人差もあります。いずれにしても過度のアルコールは心臓血管病の発症、たとえば脳卒中や心臓病、狭心症、心筋梗塞、大動脈疾患などに注意が必要だと言えそうですね。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
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平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
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こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科の『すぎおかクリニック』院長、杉岡です。
今日のテーマは『オリーブオイルは心臓病を減らす』です。
オリーブオイルがとても体に良い、という話はよく聞きますよね。
善玉コレステロールを増やしたり、悪玉コレステロールを減らしたり。
これは、オリーブオイルに含まれるオレイン酸の効能と言われています。
また、老化のもとになる酸化、子の酸化を抑える抗酸化作用の強いビタミンEをたくさん含んでおり、からだのあらゆる場面で健康に良いといわれています。
そんなオリーブオイルですが、心臓病に関してはどうなのでしょうか?
2014年にこんな論文発表がありました。
『Olive oil intake and risk of cardiovascular disease and mortality in the PREDIMED Study.』
これは、7216人の人を対象におこわわれた研究で、研究機関は約5年でした。
その結果、エクストラバージンオリーブオイルを使っていると、心臓血管病のリスクがなんと39%も減少したというのです。
これによるとオリーブオイルを1g/日多く服用すればするほど、心臓血管病や心臓血管死の割合が10%低くなるというデータでした。
そしてこの効果は普段の食事で地中海式食事法を摂っていたグル―プでのみ得られたということです。
一方でがんの予防効果は得られなかったそうです。
カラダにいいといわれている地中海式食事法。この食事法をベースにエクストラバージンオリーブオイルをさらに加えていけば、心臓発作がますます防げる可能性が出てきました。
心臓病、狭心症、心筋梗塞、脳卒中の予防に、オリーブオイル生活、始めてみませんか?
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
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こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科の『すぎおかクリニック』院長、杉岡です。
今日のテーマは『肥満は心臓病を悪くするのか?』です。
メタボリック症候群、聞いたことありますよね?男性だと腹囲85cm以上、女性だと腹囲90cm以上で動脈硬化のリスクを持っている人のグループをこう呼びます。
肥満=害、と世間では思われがちですが、最近そうとも言えない研究発表が続々と出てきているのです。
今日はその中で、肥満の度合いと心臓血管病のリスクを比較した論文を紹介したいと思います。
日本心臓病学会の学会誌 Journal of Cardiologyに2016年に発表された日本人グループの研究です。
『Overweight, but not obesity, paradox on mortality following coronary artery bypass grafting.』
というタイトルです。
冠動脈バイパス術(CABG)という、狭心症や心筋梗塞の方に行う手術を施行した人79140人を対象に術後の死亡率を比較した研究です。
これによると、オーバーウェイトの体重(過体重)の人は、正常体重の人と比べ、短期の死亡率が15%減少、中長期の死亡率が10%減少したというのです。一方、obesity(肥満)状態まで体重が上がった人には死亡率減少効果が認められなかったとか。
BMI(bodt mass index)と呼ばれる、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数があります。
体格指数(BMI)=体重÷身長÷身長で計算します。
WHO(世界保健機構)が定めた基準によると、BMIが18.5以上24.99以下が正常、25以上29.9以下がオーバーウェイト(過体重)、30以上が肥満となります。
狭心症や心筋梗塞などで手術を受けた後、いったいどういった生活習慣をおくればいいのか、知りたいところだと思います。
この論文は、心臓手術後の肥満は良くないけれども、過度に体重を落とすと逆効果になりえる、ということを示唆しています。
ただ、この論文はあくまでも肥満、オーバーウェイトの面からのみ検討しています。肥満に加えて糖尿病や脂質異常があったらどうなるか?心臓の動きによる違いは?不整脈の影響は?運動や食生活の影響は?などまだまだ詳細な検討が必要になってくると思います。
ただ、やみくもにやせを目指す必要はなさそうだと言えますね。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『甲状腺機能低下症と心臓発作』です。
また、以前ブログで書かせて頂いた、「甲状腺と心臓病」も参考にしてくださいね。
甲状腺は、喉仏あたりにある小さな臓器です。そこから全身の代謝をつかさどる甲状腺ホルモンと呼ばれるホルモンが分泌されています。甲状腺ホルモンの出が悪くなるとどんな症状が出るのでしょうか?
脈が遅くなり、心臓の機能が低下し、徐脈や心不全といった病気になりやすくなります。
ここで、American Journal of Cardiologyという、アメリカの一流雑誌に載ったある論文をご紹介します
この論文は、
『Relation of Subclinical Hypothyroidism is Associated With Cardiovascular Events and All-Cause Mortality in Adults With High Cardiovascular Risk』というタイトルで、これは心臓リスクの高い方を対象にした研究論文で、潜在的な甲状腺機能低下によって心臓発作が起こりやすくなり、長期的にみて死亡率も高くなってしまうという内容でした。
40歳以上の3021人がこの研究に参加。これによると、潜在的に甲状腺の機能が低下していると、心臓発作を起こすリスクやそれがもとで命を落とすリスクが約2倍にもなっていたというのです。
心臓の機能が低下している人、以前心不全や心筋梗塞を起こしたことがある方、などは定期的に甲状腺の機能をチェックする必要がありうそうですね。
心不全、心臓機能低下、心筋梗塞、狭心症など心臓病を抱えている方は定期的に心臓エコー検査や運動負荷心電図、不整脈チェックのホルター心電図、血液検査などが必要です。それに加えて、甲状腺機能の検査を受けてみるのもよいと思います。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『心臓病とコエンザイムQ10』です。
コエンザイムQ10は強力な抗酸化作用を持った補酵素(酵素の手助けをしてくれるもの)です。特に細胞内のミトコンドリアに多く存在し、ATPというエネルギーを作り出すのにとても大切な成分です。
コエンザイムQ10は心臓の筋肉内に多く存在するとも言われています。そのためなのか、心臓病や心不全、心筋梗塞などの虚血性心疾患、また不整脈とコエンザイムQ10との関係を調べた研究報告が多く存在します。
現時点で、心臓病に必ずコエンザイムQ10が必須だ、という確固たるエビデンス(世界的な証拠)は得られていません。ですので、それを踏まえたうえで今日はある研究発表についてお話しします。
それは、2014年にJACCという一流のアメリカ心臓病学会誌に載った論文です。
研究内容は、中等度から重度の心不全患者さんを対象にコエンザイムQ10を1日300mg内服したかたと、そうでない方の2群に分けて2年後の予後を調べたというものです。
420人の患者さんを対象に調査したところ、コエンザイムQ10を服用していなかったグル―プでは26%のかたに心臓に関するイベント(事象)、発作が出た一方、コエンザイムQ10を服用していたグループでは半分近くの15%のかたにのみイベントが出現したのです。
内訳を見てみると、心臓発作の発現率、死亡率の統計的に有意な減少がみられ、また心不全による入院の再発率も減少していたのです。さらには、NYHAという分類で示されるその人の活動性や息切の程度を示す数字がコエンザイムQ10のグループで大幅に改善していました。
コエンザイムQ10は加齢に伴い年々減少していくといわれています。それを防ぐ方法の一つとして当院ではコエンザイムQ10をはじめとする多くのサプリメントをご用意しています。
当院で扱うサプリメントは、医療機関でしか手に入らない高容量、高品質の安全なものです。
心臓病が心配、心不全が心配、もっと体のエネルギーを上げたい、元気に生き生きと生活していきたいかたなど、是非一度当院のコエンザイムQ10をお試しくださいね
こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科の『すぎおかクリニック』院長、杉岡です。
今日のテーマは、『狭心症 血管が痙攣する』です。
狭心症という病気は、心臓に栄養を送る血管(冠動脈)が動脈硬化などが原因で狭くなってしまい、心臓の筋肉に十分な栄養を送れない状態です。
狭心症は、心臓への栄養が不十分なので、心臓への負担が強くなった時に胸の痛みを感じます。
たとえば、ちょっとした運動や歩行、重いものを持った時など。
こういった軽い労作で起こる狭心症のことを労作性狭心症と呼びます。
労作性狭心症の原因が、動脈硬化で冠動脈(心臓の血管)にプラークが蓄積、その結果、血管の通り道が狭くなり、心臓の栄養状態が悪くなる。
一方で、こんなタイプの狭心症があります。
昼間はどんなに動き回っても胸は全く痛くないのに、あるとき安静にしていた時に急に胸の痛みが出現するタイプ。
特に、朝方就寝中に胸が痛くて目が覚めるパターンが多いのですが、こういった症状の中に、
『冠攣縮性狭心症』という病気が隠れていることがあります。
このタイプの狭心症は、冠動脈に物理的な狭窄が全くないにもかかわらず、突然冠動脈が痙攣し、心臓への血流が遮断され、胸が痛くなったり、圧迫感や違和感を感じます。
しかし、数分すると自然と冠動脈の痙攣がとれ、「あれ?さっきの痛みは何だったんだろう?」という風に感じる方が多いです。
冠攣縮性狭心症は、診断するのがなかなか厄介です。というのも、症状が出ていないときは心臓の血管に狭窄が全くない、すなわち正常なのでたいていの検査では異常とでてこないのです。この病気、発作時のみしか心電図などで異常ととらえられないのです。
ですから、運動負荷心電図や心エコーなどをおこなっても診断しきれないことが多いです。
その場合、24時間心電図(ホルター心電図)といって1日中携帯用心電図を装着しながら生活していただき、その間にもし痙攣発作が出れば、その証拠を記録できる、という検査を行います。しかし、この検査も24時間以内に発作が出なかったらやはり診断できません。
では、どうすればこの病気と診断がつくのでしょうか?実は、一番大事なのは医師と患者さんの間で行われる『問診』です。
問診は、病気をさぐるうえでとても大切なことです。患者さんの症状はいつ、どんなタイミングでどれくらいの時間おきるのか?症状はどんな感じ?場所は?など細かくお聞きすることでこの病気の予測がつきます。
この病気は心臓の血管の痙攣なので、治療は痙攣をとること。すなわち心臓の血管を広げる薬を使う、ということにつきます。
いわゆる『ニトログリセリン』という薬です。
この病気が疑われる場合、発作止め用のニトログリセリンを携帯していただき、この薬が効くか試す必要があります。
つまり、診断しながら同時に治療する、『診断的治療』ということを行います。
この病気をほおっておくと、徐々に悪化し、症状の持続時間が長くなり、最後には全く痙攣が取れないほどの強い発作に見舞われることになります。そして、心筋梗塞に移行してしまうことも・・・。
冠攣縮性狭心症の多くは、実はタバコやストレスが大きな原因となります。動脈硬化の原因となる高血圧や脂質異常、糖尿病に気を付けるのはもちろんですが、普段の生活の中でストレスをためすぎていないか?タバコを吸い過ぎていないか?など自らの生活を振り返ってみてくださいね。
冠攣縮性狭心症は、ある意味診断が難しい病気の一つです。循環器専門医でのご相談をお勧めいたします。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは、『緑茶と心臓病』です。
われわれ日本人は、日常的に緑茶を口にしています。その緑茶、いろいろな体に良い効果がある、と言われています。しかし、本当のところどうなんでしょうか?しかも、緑茶が心臓発作の予防に良いとしたら??
2015年に日本からこんな研究発表がなされました。
『Association of green tea consumption with mortality due to all causes and major causes of death in a Japanese population: the Japan Public Health Center-based Prospective Study (JPHC Study)』
これは、日本人を対象に研究された日本人の研究者たちによる発表です。
この研究は約9万人の日本人を対象に約18年追跡調査された研究です。これによると、1日一杯以下お茶を飲む人に比べ、1日5杯以上お茶をお飲む人は、心臓血管死の割合が13%も減少していたと言うのです。
そして女性に限るとその傾向はさらに強くなり、1日5杯以上お茶を飲んでいた人たちの心臓血管死の割合は17%減少していたということです。
これは、ただ単に日常的に緑茶を飲んでいたか、飲んでいなかったか?たったそれだけでこんなに心臓病を起こして命を落とす危険が変わってくるということなのです。
そしてこの傾向は1日一杯のお茶を飲むより二杯飲んだほうが、さらに三~四杯飲んだほうが心臓血管死が減る、つまり飲めば飲むほど効果が得られたという報告でした。
では、めちゃくちゃ大量に毎日のんだらどうなるの?という疑問もおこりそうですが、この研究では6杯以上に関する報告まではなされていません。
まず、僕らは1日5杯の緑茶を目標にしてみるということがよいのかもしれませんね。
私たちの健康は、すべては日常生活での取り組み方が基本になります。糖尿病や高血圧になったらすぐに薬を飲んで安心するのではなく、どんな食事をすればよいのか?適切な運動はきちんとやっているか?睡眠不足は大丈夫か?ストレスが溜まっていないか?お酒やたばこはどうなのか?
こういったことからしっかり取り組めば、薬に頼った生活から離れることはいくらでも可能だと思います。