こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科の『すぎおかクリニック』院長、杉岡です。
今日のテーマは、『ゼロカロリー飲料と糖尿病』です。
今や、巷にゼロカロリー飲料があふれかえっていますよね。
砂糖による血糖値上昇、カロリー過多に困っている多くの人がこのカロリーゼロ飲料に飛びつきました。
でも、このカロリ―ゼロ飲料、カロリーゼロのくせして相当甘いですよね?これはなぜなのでしょうか?
これは砂糖の代わりに人工甘味料が使われているからです。
この、人工甘味料、カロリーが限りなくゼロに近いので、表記上はカロリーゼロと記載できます。
よくカロリーゼロ飲料に使われている人工甘味料が、『アスパルテーム』です。
アスパルテームは、甘みが砂糖の約200倍と言われています。
人工甘味料は砂糖ではないので血糖値を上昇させません。しかし、最近になって、この人工甘味料の良くない部分がクローズアップされるようになってきているのです。
人工甘味料は、メタボ(肥満)や糖尿病の患者さんにとって、その予防や改善に役立つと期待されていました。しかし、そうではないらしいのです。
それを示した衝撃的な論文が2014年、世界の超一流医学誌natureに論文発表されたのです。
そのタイトルがこちら
『Artificial sweeteners induce glucose intolerance by altering the gut microbiota.』
人工甘味料が、腸内細菌そう(腸内フローラ)を変えてしまい、耐糖能異常(血糖値の異常)を引き起こす、という内容です。
耐糖能異常を引き起こすと、血糖を下げるインスリンの働きもうまくいかなくなり、結果として肥満や糖尿病を招く可能性があるのです。
また、『人工甘味料は血糖を上げないので、脳が血糖を上げようとして、食べ過ぎを起こしてしまう』という指摘もあります。
あくまで個人的な所感ですが、ゼロカロリー飲料は、特に糖尿病を有している患者さんが好んで飲んでいるような気もします。砂糖に依存していた生活を変えるためにゼロカロリ―ならいいだろうと考えているのかもしれません。
ゼロカロリー飲料は、まだまだ決して安全とは言えません。砂糖に注意するのはもちろんですが、どうしても甘いものが食べたい場合は人工甘味料ではなく、天然の甘味料を選んで見るのも一つの手かもしれませんね。
糖尿病は、動脈硬化を招き、心筋梗塞や脳卒中などの心臓血管病のリスクを高めます。そういった意味からも、ゼロカロリーへの注意は欠かせません。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『睡眠不足が心臓病のリスクをあげる』です。
2017年にアメリカ心臓協会(AHA)からある研究発表がなされました。これによると、メタボリック症候群や高血圧などの心臓発作の危険因子を持っている人が睡眠不足の状態を続けると、心臓発作や脳卒中で死亡率が倍増するという内容でした。
1344人のかたを対象になされた研究で、参加者の39%がメタボの持ち主でした。
16年の追跡調査の結果、メタボで平均睡眠時間が6時間以下のかたは、そうでない方に比べ、心臓発作や脳卒中に伴う死亡率が2.1倍でした。
メタボの方は、そうでない方に比べ、心臓発作など全ての原因を含めた全死亡率は1.99倍。メタボの方で、睡眠を6時間以上とっていた場合の全死亡率は、メタボでない方の1.49倍でした。
まず、メタボがあるだけで心臓発作や脳卒中をおこし、死亡率が高くなってしまうという事実。
そして、メタボに睡眠不足が重なると更に命を落とす危険性が高まるということです。
睡眠不足が心筋梗塞などの心臓病、脳卒中などの動脈硬化、血管のつまり、血栓形成などのリスクをあげます。このことは普段から生活習慣の中にしっかりと睡眠時間を確保する必要がある、ということにほかなりません。
メタボによる肥満は、睡眠時間の問題だけではなく、睡眠の質まで下げてしまいがちです。
特に、睡眠中に呼吸が止まってしまうような睡眠時無呼吸症候群を合併しやすくなります。
睡眠時無呼吸症候群は、夜間の血圧をあげ、自律神経を緊張させ、結果的に心筋梗塞などの心臓発作の率を高めてしまいます。
もし、就寝中に呼吸が止まる、などご家族のかたなどから指摘された場合、是非一度検査をすることが必要です。
当院でも睡眠ポリグラフィー検査と呼ばれる睡眠時無呼吸の検査を随時行っています。
以前のブログでも、「睡眠時無呼吸症候群外来」という記事で睡眠時無呼吸症候群について書いていますので、参考にしてみてください。
無呼吸が気になるかた、夜眠ったにもかかわらず、昼間に眠気が取れないなどの症状があるかたはお気軽にご相談くださいね。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマ『甲状腺と心臓』です。
甲状腺とは、喉仏の下にある数センチほどの臓器で、ちょうど蝶が羽を広げたような形をしています。
ここから、甲状腺ホルモンと言われるホルモンが分泌され、全身の代謝、成長などを調節する働きがあります。
甲状腺ホルモンが分泌しすぎてしまう病気を甲状腺機能亢進症、分泌が足りない状態を甲状腺機能低下症と呼びます。
甲状腺ホルモンがたくさん出てしまう、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の場合、新陳代謝が亢進し、心臓には心悸亢進と言われる症状が出現します。ドキドキする、息が切れる、脈が速い、脈が乱れる、動悸がする、胸が重い、などが典型的な症状です。心房細動などの不整脈も起こりやすくなります。そしてイライラしたり、汗を多くかいていたりします。
一方、甲状腺ホルモンの分泌が少ない甲状腺機能低下症の場合、代謝が落ちるために先ほどとは逆の症状が出現します。脈が遅くなる、ぼーっとする、カラダがむくむ、皮膚が乾燥する、便秘がち、気力がなくなる、時には心臓の機能が低下して息切のような心不全の徴候が出てくることもあります。そして心臓の周りに水が溜まってしまうこともあります。重症化した心不全の場合は外来では処置しきれず、入院になってしまうこともあります。
もし、あなたが原因不明で動悸や息切などが出ている場合、甲状腺のホルモンが乱れている可能性があり得ます。甲状腺機能が亢進しすぎると、心臓の機能が過大に収縮したり、心房細動などの不整脈で脈拍が速くなります。そこに気付いていないと、甲状腺機能亢進症が原因で心不全を起こすことがあります。
逆に、甲状腺機能が低下することによって脈拍が低下したり、心臓の収縮力が落ちたり、また甲状腺機能低下症は動脈硬化の原因にもなるので、そこから狭心症や心筋梗塞をおこしたり。
もし、あなたが心臓の病気を抱えていたり、また心臓が心配だったら、状況次第で甲状腺の検査を受けることが必要です。甲状腺と心臓の関係性については循環器専門医や内分泌専門の医師に相談されることをお勧めします。
当院でも、もちろん甲状腺の血液検査や甲状腺エコー検査で、甲状腺の状態を検査することが可能です。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『心筋梗塞とオメガ3』です。
オメガ3とはそもそも何なのでしょうか?オメガ3とは、簡単に言ってしまえば私たちが普段口にするいろいろな油、その中にはいろいろなグループがあるのですが、オメガ3はそのグループの中の一つです。
油(脂肪酸)は、大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分かれ、さらに不飽和脂肪酸が一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分かれます。オメガ3は、多価不飽和脂肪酸に分類されます。
オメガ3はとても体に良い、というのは耳にしますが、いったい何がよいのでしょうか?
今日は特にオメガ3の心筋梗塞における効果について少しお伝えします
アメリカ心臓病学会誌というとてもとても有名な雑誌があります。ここでは世界中の心臓血管病に関する先進データ、論文が掲載されています。
その中で2015年には発表された論文を一つご紹介します。
心筋梗塞を起こすと、ある後遺症が残ることがあります。その一つが心臓りモデリングと呼ばれるものです。これは、心筋梗塞の影響で壊死してしまった心臓の筋肉が線維化、そして変性していく過程で必要以上に心臓が広がってしまうというものです。広がりすぎた心臓は、自分でコントロールすることが難しくなり、容易に心筋梗塞後の心不全は不整脈を起こしやすくなります。
この論文では、358人の心筋梗塞患者さんに対し、オメガ3を服用したグループと服用しないグループで分けて追跡調査をしたところ、なんと6か月後にオメガ3を服用していたグループの心筋りモデリング(心臓の不必要な拡大)を抑えていたというのです。
オメガ3と言えば、血液サラサラというイメージがありましたがこんな効果もあったとは驚きです。
心筋梗塞を起こしたかたも、幸いまだ心臓発作を起こしてない方も、ぜひオメガ3、良質な油を普段から摂取することに心掛けましょう
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは、動脈硬化を調べる検査『CAVI検査』についてです。
動脈硬化とは、長年の生活習慣の乱れ、高血圧、糖尿病、高コレステロール、肥満、そして加齢などによってまさに血管が硬化してしまうものです。血管が硬化すると、血管の内側にはプラークと呼ばれる塊が膨らんでいきます。その結果、血管の通り道が狭くなり、いずれ詰まってしまうというもの。
頭に詰まれば脳卒中、心臓が詰まれば心筋梗塞、そしてこの動脈硬化は手足の血管に及ぶことがあります。
足の血管が詰まったことに気付かないと、最悪足の壊疽、切断にまで至ってしまうケースも・・・
日頃から自分の動脈硬化の状態を知っておくことはとても大切なことです。
手足の血管につまりがないかを知る、簡単な検査があります。これはCAVI検査と呼ばれています。この検査では、あお向けに寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈波を同時に測定します。時間は5分程度で終わるとても簡単な検査でです。例えば、もし右足の血管が詰まっていたらこの検査はどんな結果になるでしょう?
この方の普段の血圧が130ほどだったとすると、両手の血圧と左足の血圧は130程度でしょう。しかし、右足の血圧が80-90しかない。などという結果がでたら、右足の血管が狭窄しているか、閉塞しているかが強く強く疑われるのです。
足の血管にまで動脈硬化が起きる、ということをまずはしっかり知っておく必要があります。そのうえで定期的なCAVI検査を受け、動脈硬化の進行がないかどうか定期チェックを欠かさないようにしましょう
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『糖尿病と動脈硬化』です。
糖尿病の患者数って日本にどれくらいいるかご存知ですか?厚生労働省の平成28年のデータによると、「糖尿病が強く疑われるもの」は日本人の12%、「糖尿病の可能性を否定できないもの」が12%。それぞれ約1000万人いるといわれています。
そして、糖尿病が強く疑われるもののなかで、治療を行っている人は76%ということです。
糖尿病は様々な合併症を引き起こします。その中で、特に心配なものの一つが動脈硬化の進行です。
糖尿病に伴う動脈硬化は全身にやってきます。動脈硬化によってどんな病気を起こすのでしょうか?
糖尿病による動脈硬化で病気になりやすい、血管が詰まって重大なことになりやすい個所はたくさんあります。大血管と微小血管の病気にわかれるのですが、今日は大血管の病気の話をしますね。
大血管が糖尿による動脈硬化で詰まりやすい個所は大きく3つあります。
一つ目は頭、頭頸部です。ココが詰まってしまうと脳梗塞になってしまいます。
二つ目は心臓です。ココが詰まってしまうと心筋梗塞を起こしてしまいます。
そして見落としがちなのが、3つ目、足の血管です。閉塞性動脈硬化症と呼ばれますが、ココが詰まってしまうと足の壊疽を引き起こし、最悪の場合下肢の切断を余儀なくされる方もいらっしゃいます。
頭頸部の血管が動脈硬化を起こしていないかを知る一番手軽な方法は頸動脈エコーです。頭の中(頭蓋内)を検査しようとするとCTやMRI検査など大病院で行う必要がありますが、頸動脈に関しては超音波検査で行うので、手軽にみることができます。検査は手軽に、そして定期的に行うこともとても大事な要素となります。
心臓に関しては心臓エコー検査は運動負荷心電図検査がとても役立ちます。
足の血管の検査としては両手両足の血圧を同時に調べるABI検査が有用です。
今日取り上げた検査はいずれもとても簡単にできる検査で、体の負担もありません。
糖尿病や、生活習慣病など、動脈硬化を起こしやすい因子を持っているかたは、是非定期的な検査を循環器専門医のもと、しっかり受けてくださいね
すぎおかクリニックでは、今お示しした頸動脈エコーや心臓エコー、運動負荷心電図、そしてABI検査を毎日多くの方に行っています。なにご心配があればお気軽にお越しください。
こんにちは~。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、みなさんがよく耳にする言葉、狭心症と心筋梗塞の違いについてお話ししますね。
狭心症って何?心筋梗塞って何? 何が違うの? そんな話をしていきましょう。
この病気はどちらも心臓に栄養を送る血管(冠動脈)の病気ということで一致します。心臓には、その周りに冠動脈と呼ばれる血管があり、心臓が正常に動くように栄養を与えています。
しかし、年齢に伴う動脈硬化だったり、ストレス過剰に伴う冠動脈の痙攣(攣縮)が原因で冠動脈が狭くなったり、詰まってきたりするのです。
そうすると、心臓の筋肉には十分な栄養が行き渡らなくなり、何かの拍子に胸が痛い、苦しい、と言った症状が出ることになります。
この二つの病気の根本的な原因はほぼ同じです。簡単にいえば、冠動脈がどの程度まで狭くなってしまったか?心臓の筋肉がどの程度ダメージを受けたか、で狭心症か心筋梗塞かが決まってきます。
狭心症は、冠動脈が狭くなって来たり、閉塞を起こしていても、心臓の筋肉にはダメージを受けていない状態を指します。
一方、心筋梗塞は冠動脈が詰まってしまったせいで、心臓の筋肉絵の栄養が完全に遮断された結果、心臓の筋肉(心筋)が壊死してしまう状態を指します。
ですから、壊死の大きさによっては心臓の機能が非常に低下したり、場合によっては命に関わる事態となります。
どちらの病気も心臓の血管(冠動脈)に問題があるわけです。ですからこの冠動脈を治療し、広げ、再度心筋への血流を回復させてやることがなによりも大事になります。
治療法としては、薬物用法、ステント留置方法、状況がシビアであればバイパス手術が選択されることもあります。
これは、日常の生活習慣をいかにあらためるか、にかかってきます。塩分の取りすぎによる血圧上昇、糖分とりすぎによる糖尿、カロリー過多や運動不足に伴う肥満、メタボ。睡眠不足、食事の偏り、ストレスなども病気の原因になりますので、普段の生活を是非一度振り返ってみてくださいね。
すぎおかクリニックでは、船橋市をはじめ、市川市、鎌ヶ谷市、習志野市、などの船橋近隣にお住いの方の狭心症、心筋梗塞の患者さんを多数拝見しております。
狭心症、心筋梗塞は普段の管理、再発予防、定期的な検査がとても重要です。
なにか気になることがあれば、いつでもご相談くださいね。
こんにちは! 船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは糖尿病、その合併症についてお話ししますね。
糖尿病にかかるといったいどんなことが起きるのでしょうか?そのうちの命に関わるほとんどは動脈硬化、血管のつまりなどが原因の病気です。たとえば、心筋梗塞や狭心症、脳卒中や網膜症などがありますが、今日はその中でも糖尿病性壊疽についてお話ししますね。
糖尿病のかたは往々にして強い動脈硬化を合併します。それが下肢にくるとどうなるでしょうか?だんだんと下肢の動脈は狭くなっていき、やがて閉塞していきます。
すると、下肢への栄養が足りなくなるために数分あるくと、血流不足による下肢の痛みが出てきます。これを間欠性跛行と呼びます。本来であれば、血液が足りない虚血症状により、足の痛みが出ます。
しかし、糖尿病の合併症で怖いものの一つに神経障害があります。これは神経が鈍くなること、簡単に言うと痛みに鈍くなる、傷ができても痛くないのです。
下肢の虚血症状により、血流が不足している状態で下肢にばい菌が感染するとどうなると思いますか?
赤くなり、腫れあがり、容易に潰瘍を起こします。普通ならとんでもない痛みを伴う状態です。
しかし、神経障害と血行障害を伴っている糖尿病の人はそこに気付かない。
そして、ある日自分の足を見てみるとひどい潰瘍ができていた、場合によっては壊死している状態まで気づかない。そこまですすむと、もはや下肢の切断も考えなければいけない、のです。
大事なことは、早期の診断、治療です。つまり、何の症状も無くても下肢に血流障害がないか?を定期的に調べなければいけません。それを発見するとても有用な検査がCAVIと言われる検査です。
これは、閉塞性動脈硬化症と言われる病気を探し出すとても簡単な検査で、容易に糖尿病の血行障害を検出します。
あなたやご家族の方がもし糖尿などの動脈硬化を合併しているなら、このCAVI検査を必ず定期的に受けることを強くお勧めします。
当院でも、多くの来院患者さんにこのCAVI検査を定期的に行っています。
病気は出てくる前に、早期に見つけ、早期に治療する。それが大事ですよね。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は睡眠時無呼吸症候群についてのお話です。
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)とは、簡単にいえば眠っている間に呼吸が止まってしまう病気です。通常英語の頭文字をとってSAS(サス)と呼ばれます。寝ている間には全く自覚症状がないので、多くの方が自分の無呼吸症候群に気づいていらっしゃらない可能性があります。軽い人では数秒の無呼吸ですが、重症な方になると30秒からなんと1分近くも無呼吸でいることもあります。
最近では、睡眠時無呼吸症候群の詳細が分かるサイトもあります。
症状としては、昼間の強い眠気が典型的です。夜、十分睡眠をとったつもりなのに昼間にすっきりしない場合、潜在的な無呼吸症候群かもしれません。すっきりしないばかりか、いつの間にか昼間の会議中に居眠りしてしまう、運転中につい意識が飛んでしまったなどあります。往々にしてちょっとした眠気だけということで見過ごされがちな症状です。そのほかの症状としては、朝起きたときに口が乾いている、熟睡感がない、夜中になんども目がさめる、なども睡眠時無呼吸症候群を疑わせます。
睡眠時無呼吸は、タバコを吸うかた、寝る前にアルコールを飲まれるかた、太り気味のかた、高血圧や高コレステロールなどの生活習慣病のあるかたに多く見られます。睡眠時無呼吸は昼間に眠いという症状だけでなく、夜間血圧上昇を引き起こす関係で高血圧を進行させやすくなります。朝方の著明な高血圧で脳卒中や心筋梗塞などを引き起こしかねません。ご心配であれば、是非かかりつけ医への早期受診をお勧めします。
検査方法としては、簡易検査として夜間の酸素濃度や呼吸状態を簡単に計測できる検査を自宅に持ち帰ることができる検査があります。当院でもこの検査を行っているかたは多数いらっしゃいます。また、精密検査として一泊病院に入院して行う睡眠ポリグラフィ(PSG)検査を行うこともあります。
治療法としては、重症な睡眠時無呼吸症だった場合、夜に特殊な呼吸機器を取り付けて、いわば鼻マスクのような形で空気を送り込む機械、CPAPという治療法が適応です。これを使うことで、夜間の無呼吸が改善され、昼間の眠気が劇的に改善するようです。
当院でも、多くの睡眠時無呼吸症候群の患者さんが来院され、検査治療を行っています。
眠気を甘く見ると、将来取り返しのつかないことになりかねません。少しでも怪しいなと思ったら、お気軽にご相談ください。
多くの睡眠時無呼吸症候群のかたは生活習慣病の合併が見られます。高血圧をはじめとして、脂質異常、高コレステロール、高中性脂肪、糖尿病、耐糖能異常、高尿酸血症、肥満など。これらはいずれもが重篤な循環器疾患をひきおこします。心筋梗塞や脳卒中はその典型と言えます。ですから、睡眠時無呼吸症候群を抱えているかたは動脈硬化のチェック、血管の詰まり具合、硬さの具合などを一緒に定期的にチェックしていく必要があります。